生活保護を受けている人は、最低限の生活を維持するためのお金が不足している状況にあります。そのため、生活保護世帯ではお金に困りやすく、場合によっては生活保護費以外にもお金が必要となることもあるかも知れません。
そんな時には、消費者金融や銀行のカードローンなどの商品を利用することはできるのでしょうか?もし出来ないとしたら、本当にお金に困った時にはどうしたら良いでしょう。
生活保護とは?
生活保護は、国の認めた基準によって受給資格を得ることで生活費を支給してもらえる制度です。受給資格は最低限の生活をしていけない世帯となっており、実際に生活保護費を受け取るためにはさまざまな厳しい調査が行われます。生活保護の条件
生活保護は、世帯に対して行われ、個人に対するものではありません。福祉事務所が世帯の収入や資産などが調べて、受給資格があるかどうかを判断します。基本的には以下の条件を満たす人のみが受給でき、受給しても、その後可能な限り自分で生活できるように努力することが必要です。・生活に利用していない資産や預貯金がない
・世帯に働くことが可能な人がいない
・年金や手当てなどの給付が受けられない
・親族などの扶養義務者からの援助が受けられない
生活保護は最低限の生活費
生活保護で受け取れる金額は、その地域で暮らす上で最低限の生活費の額となります。構成労働大臣が定める基準によって計算され、収入があれば収入と最低生活費の差額が受け取れます。家賃や食費、被服費、光熱費などに使えるお金となり、貯蓄や生活するのに必要のないものに使ってはいけません。借金返済に充てるのも不可
生活保護費は、住宅ローンなどの返済に充てることはできません。住宅ローンの返済は、住宅取得、つまり資産形成につながるためです。また、基本的に住宅を所有している場合には処分しないと生活保護が受けられなくなります。さらに、カードローンなどの借金を抱えていて返済をしている場合にも認められず、最初に債務整理を進められます。生活保護費を借金返済に充てることも基本的には認められません。
生活保護は減額されることも
生活保護は、世帯の収入が増えた場合にはその分減額されます。受給者はケースワーカーによる定期的な訪問調査が行われ、毎月収入を申告することが必要です。収入があった場合には減額や支給の停止などが行われます。
生活保護を受け取っているとローンは使えない?
生活保護を受けている人は、基本的にはカードローンなどのローン商品を利用することはできません。生活保護を受けている人のローン利用は、ローン会社や銀行にとってのリスクでもあり、受給者側の減額や至急停止などのリスクでもあります。
生活保護は安定収入ではない
そもそも生活保護を受けているということは、安定した収入がないと考えられます。そのため、カードローン会社などでは生活保護受給者を審査通過させることができなくなります。資産がないから担保型ローンもできない
生活保護を受けるには、住宅などの資産がない、もしくは資産を処分することが必要です。そのため、住宅などを担保にするローン商品なども利用することは出来ません。生活保護が受け取れなくなることも
生活保護受給者がカードローンなどを利用していることがケースワーカーの調査で見咎められると、生活保護費を減額されたり受け取れなくなる恐れがあります。収入として認められてしまい、借金返済に保護費を充てることは生活保護の考え方にそむくためです。生活保護を受けていると絶対にお金を借りることはできない?
生活保護を受けている場合には、銀行などのローン商品を利用することができません。それでは生活保護を受けていて、それでもお金に困ったらどうしたら良いのでしょうか?社会福祉協議会の貸付制度は?
生活保護受給者でも、場合によっては社会福祉協議会の貸付制度を受けられる可能性があります。ただし、審査は優しくないので、収入が全くなくて、返済できる見込みがない場合には難しくなります。緊急小口資金や総合支援資金など、生活保護を受けている場合には利用できないものもあります。
注意したい闇金
困窮している時にお金を貸してくれるという情報はとてもありがたいものですが、その情報の安全性を確認することは重要です。闇金の中にはカードローンなどを利用できない生活保護者を狙って法外な金利での貸付を勧めてくる業者があります。こうした業者を利用してしまうと、厳しい取立てやかさむ金利で今以上に生活が苦しくなりかねません。どうしても困ったらケースワーカーさんを頼る!
生活保護を受けていても、それだけではお金が足りなくなることはあるでしょう。そんな時には、まずはケースワーカーさんを頼ってみることが大切です。ケースワーカーは生活困窮者に利用できる制度を良く知っていて、相談に乗ってもらえます。
生活保護を受けているとお金を借りるのは難しい
生活保護世帯は、収入が安定しているとは見なされにくく、銀行などのローンを利用するのは難しくなります。
また、勝手にローンを利用することで生活保護費を減額されることもあります。基本的にはお金を借りるのは難しいものですが、どうしても困った時にはケースワーカーを頼ると良いでしょう。間違っても闇金などの違法業者を頼ってはいけません。