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借金依存症とギャンブル依存症

依存症は、自分でも気がつかないうちに始まってしまうものであり、気がついた頃には精神的に追い詰められて医療的処置が必要となってしまうものです。

借金依存症やギャンブル依存症は、気がついた時には金銭的にも追い詰められており、人間関係や社会生活にも悪影響を及ぼすことがあります。さらに、借金依存症とギャンブル依存症は平行して発症してしまうことも多いものです。

今回は、これら二つの依存症のきっかけや進行、さらに精神面の変化など、詳しく説明します。症状を知ることで家族の依存症の発見や対策のヒントが見つかるかも知れません。

借金依存症とギャンブル依存症の関係

借金依存症とギャンブル依存症は、基本的には違うものですが、ギャンブルにはまることで借金を負い、それを繰り返しているうちにどちらの症状も出てしまうことがあります。女性ではギャンブルの代わりに買い物依存症などが平行することもありますが、男性では借金依存症とギャンブル依存症がセットで起こることが多いものです。

借金依存症では、お金を借りることに抵抗がなくなり、むしろ借金をせずにはいられない状態となります。ギャンブル依存症では自分のお金でギャンブルをしていたのが、いつの間にか借金をしてでもギャンブルをしたくなります。こうして2つの依存症はお金の浪費と借り入れを通して、徐々に進行してしまい、社会生活や人間関係に影を落とし始めます。

いずれの依存症も脳の快感の記憶が引き金に

依存症は、どのようなものでも過去に味わった脳の快感がきっかけとなっているようです。ギャンブル依存症では、ギャンブルで勝った時の快感がきっかけとなり、負けても負けても脳が快感を求めて止めることができなくなると言われています。

勝った時には脳から快感を感じさせる神経伝達物質が分泌されます。それが何度か繰り返されるうちに、快感を求めて同じ行動を繰り返さずにはいられなくなるのが依存症です。悪いとは頭のどこかで分かっているのに、それをしないと精神が不安定になる人もいますが、人によっては自分では悪いとさえ気が付かなくなってしまいます。

この行動は脳の問題であり、自分で止めようとして止められるものではありません。そのため、気づいていても止められない場合には医療機関での治療が必要となります。本人が気づいていない場合には、周囲の人が診察を促すなどの対策が必要です。

借金依存症とギャンブル依存症の経過と精神面の変化

借金依存症とギャンブル依存症は、最初から始まっているのではなく、繰り返されることで徐々に進行すると言われています。全ての人がなるわけではないため、カードローンを絶対に使ってはいけない、ギャンブルは絶対にしない、などと決め付ける必要はありません。ただし、自分が(もしくは家族などが)借金やギャンブルに対して何の抵抗もなく、繰り返し続けるようになってきたら要注意です。

依存症の始まり

最初は誰でも、カードローンを使うのを怖がったり、ギャンブルを暇つぶし程度に楽しんだりするでしょう。しかし、カードローンは手軽にATMから利用できるため、自分のお金のような錯覚を持ち始めるようです。ギャンブルも勝って興奮したり簡単に儲かった記憶から、また勝てると思い、勝った時の感覚を味わいたいと考えやすくなります。

さらに借金できることを信用だと考えて、借金を自分の自信や高い評価だと思い込むようになると危険です。同時にギャンブルの手持ち資金が尽きたことで、キャッシングができるATMへと駆け込むようになります。

依存症の進行

依存症が進むと、いつでも借金など返せるという思い込みで行動するようになり、ギャンブルも借金も抵抗なくすることが多くなります。また、ギャンブルで勝てば借金を返せると思う人もいます。

借金やギャンブルのことしか考えられず精神的に不安定になり、人との交流を避けたり、実際には返済できない現実から目を背けるようになることもあります。しかし、借金は返済しなければ利息や遅延損害金がかさみ、現実的な問題が悪化していきます。

ここまで来たら、基本的には医療的な措置を必要としています。また、お金に関する依存症は、債務整理やこれ以上借金できない環境を作るなどの対策も必要です。クリニックでカウンセリングなどを開始するとともに、弁護士などへの相談も平行して行わなければいけません。ローンカードなどを持っている人は、それを家族に管理してもらったり、契約を止めることも必要です。

依存症は早期にカウンセリングへ

ギャンブル依存症も、借金依存症も、始めは何気ない小さなことから始まります。しかしそれが積み重なると症状も金銭的問題も悪化していきます。どこかの時点で「おかしい」と感じたら、自分だけで悩まずに家族や医師に相談するようにしましょう。

また、家族など周囲の人が発見のきっかけとなることも多いものです。自分の家族や友達が収入以上の遊びをしていたり、気軽に借金を繰り返したりしていたら、注意深く見守り受診や相談を促しましょう。お金の話は言いにくいことですが、本人も悩んでいるかも知れません。

借金依存症とギャンブル依存症は悪化で問題が深刻に

依存症は、自分自身の甘えや意思の弱さなどを改善しても治るものではありません。脳の病気として捉えて、医師の元で正しい治療を行うことが必要となります。周りの人もその人の変化に目を向けて、悪化する前に適切に助言することが大切です。


<参考>
https://doctors-me.com/doctor/mental/11
http://www.ohishi-clinic.or.jp/izon_symptom.html

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